「大回顧展モネ」を観て

 昨日、今年1月21日に六本木に新しくオープンした国立新美術館(4月に実施された都知事選に立候補した黒川紀章さんの設計)にて、「大回顧展モネ:印象派の巨匠、その遺産」を観て参りました。印象派の巨匠、クロード・モネ(1840-1926)の絵画を、フランスのオルセー美術館を始め、アメリカのボストン美術館メトロポリタン美術館など、国内外の主要コレクションから97点(加えて、その他関連として26点)も集め、それらを一堂に展示し、モネの絵画の魅力を紹介しております。

 展示は5章(セクション)に分類されており、それらはそれぞれ次のようなものです。

  • 第1章 近代生活〜11点(「ゴーディベール夫人(1868)と本展示会の顔になっている「日傘の女性(1886)」が含まれています)
  • 第2章 印 象
    • 光〜7点
    • 階 調〜4点(「かささぎ(1868-69)」が含まれています)
    • 色 彩〜6点(「庭のカミーユ・モネと子供(1875)」と「モントルグイユ街、1878年パリ万博の祝祭(1878)」が含まれています)
  • 第3章 構 図
  • 第4章 連 作
    • リズム〜4点(「ポプラ並木」の連作)
    • 形 態〜4点(「積みわら」の連作)
    • 変 化〜2点(「ルーアン大聖堂」の連作、1点はオルセー美術館展にも出展されていたと思いますので、昨年の神戸、今春の上野そして現在の六本木とずっと日本に留まっていることになります)
    • 移ろい〜13点(「サン=ラザール駅(1877年)」を含む)
  • 第5章 睡蓮/庭
    • 筆 触〜11点
    • 綜 合〜8点(「睡蓮」の連作)

 今回も有料の音声ガイドを借用し、効率的な作品の理解に活用しました。レコーダーは多分ICレコーダーだと思いますが、私の記憶によれば首から紐でやや重めの装置をぶら下げる少し古めのタイプでした。ナビゲーターは小泉今日子さんで、なかなか良かったと思います。さらに、時々モネと同世代の作曲家クロード・ドビュッシー(1862-1918)の曲が流れて来て、雰囲気を盛り上げてくれました。最後に曲だけ入っていた「月の光」などは、「睡蓮」の前で聴くとまさにぴったりという感じでした。

 オルセー美術館展を開催していた上野の東京都美術館に比べると、この六本木の国立新美術館はすべての面で一回り規模が大きく、とてもゆったりとしていました。展示会場の通路も広く、上野ではいつも沢山の人がぶつかってきたのですが、六本木では数回だったと思います。もっとも雨模様の金曜日の夜ということで、(入場者数が50万人を突破した展覧会としては)人出はやや少なかったという感じでした。また、美術鑑賞を楽しんでいるお客さんの8〜9割は女性でした。しかし、会場が妙に蛍光灯色で明るかったような気がしました。日本人には明るくて観やすかったのですが、絵画に紫外線の影響はないものかと余計な心配をしてしまいました。地球温暖化問題のために、白熱電球を使いづらくなっているのでしょうか。

 この展覧会も、いよいよ7月2日(月曜)で閉幕とのことです。あと残りわずかですから、まだご覧になっていない方は是非足をお運び下さい。

  • モネの絵に 美を愛で 感じ 美に生きる