北斎展を観て

江戸東京博物館1階の熊手

 東京・両国にある江戸東京博物館で開催中の「北斎展」を観て参りました。同博物館開館15周年記念の特別展で、「ヨーロッパを魅了した江戸の絵師」というサブタイトルが付いています。オランダ国立民族学博物館、フランス国立図書館そして大英博物館から初めて同時に約70点の肉筆画が里帰りしているとのこです。これらを含めて展示作品は500点を超えるという膨大な展示会でした。もっとも北斎の絵そのものはせいぜいA3判位の大きさですので広大な場所が必要という訳ではありません。しかし、それがかえって会期末近くで沢山の観客が詰めかけている会場の混雑度を増しているように思えました。
 500点以上の作品をノロノロ進む列に入って長時間観賞するのは大変なので、いつものとおり音声ガイドを借用しました。音声ガイドに従っておよそ 1時間程度で、作品27点を効率よく観て参りました。その中にレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「モナリザ」と同じ位世界中に知られているという、北斎の版画「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」がありました。今回北斎の作品の真に斬新な構図と色彩を改めてよく観て、これらがヨーロッパの印象派の画家達に大いに影響を与えたということが理解できるような気がしました。江戸東京博物館での北斎展は残念ながら1月27日までで、その後名古屋市美術館(2月9日〜3月 23日)、そして山口県立萩美術館・浦上記念館(4月5日〜5月18日)と回るようです。
 写真は展示会場入口の向かい側に飾ってあった巨大な熊手です。皆さんのご繁栄をお祈りしてここに掲載いたしました。

  • 北斎に 観る日本美の 先進性

1000ピース 銀彩 神奈川沖浪裏 1000-74

1000ピース 銀彩 神奈川沖浪裏 1000-74

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