全都道府県訪問#42 和歌山県#5(熊野三山#2)

那智の滝

 3日目の朝に紀伊勝浦町の那智山にある熊野那智大社に参詣しました。麓は晴れていたのですが、車で山登りをしていると、かなりの雨模様になって参りました。晴れ男のはずの私にとっては、久々の雨降りの朝でした。表参道の473段の石段を上ったところに那智大社の境内が広がっていました。ご主神は、本宮大社と同じスサノオノミコトで、丹塗りの鮮やかな社殿が建っています。
 そしてすぐ隣には、西国33所1番札所の那智山青岸渡寺(せいがんとじ)がありました。現在残る本堂(如意輪堂)は1590年(天正18年)に豊臣秀吉が寄進したもので、南紀最古で重要文化財に指定されているそうです。両者がこんなに近いのは、明治の神仏分離令までは青岸渡寺那智権現(那智大社)に属していた如意輪堂であったためだそうです。逆に言うと、熊野では神仏習合がいかに進んでいたかということで、当時は何とスサノオノミコト阿弥陀如来、クマノハヤタマオオカミは薬師如来の仮の姿とされていたようです。
 那智山のハイライトはやはり落差133mの那智の滝です(写真参照)。ここには滝を神体とした飛瀧(ひろう)神社があります。古く神武天皇熊野灘から那智の浜に上陸した時に那智山に白く輝く滝を発見し、これを神として祭ることとしたといわれます。また、神武天皇を案内して大和まで導いたのがヤタガラス(八咫烏)といわれています。そういえばヤタガラスは明治時代から日本サッカー協会のシンボルマークです。

  • 熊野の地 神話とともに 幾千年

【参考文献】 井上宏生著 「神さまと神社―日本人なら知っておきたい八百万の世界」 2006年 祥伝社