全都道府県訪問#43 沖縄県#2(斎場御嶽)

斎場御嶽の三角岩

 2000年12月2日、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」がユネスコの「世界遺産条約」に基づく世界遺産リストに登録されました。首里城跡、中城城跡、勝連城跡、座喜味城跡、今帰仁城跡の5ヶ所のグスク群、国家祭祀の重要な場所であった斎場御嶽園比屋武御嶽石門琉球王家の陵墓の玉陵、そして王家の別邸だった識名園の計9ヶ所が登録されました。
 まず沖縄本島南部・知念村にある斎場御嶽(せーふぁうたき)に向かいました。岬に向かう海岸沿いの道を走り高台にある御嶽に着きました。入口の案内板には次のような説明がありました。

「御嶽」とは、奄美諸島から宮古八重山にいたる南西諸島に広く分布している聖地の総称です。斎場御嶽は、琉球王朝時代に王府が整備した国家的な宗教組織との関連が深い、格式の高い祭祀場でありました。せーふぁ(霊威の高い聖なる場所)の名前が示すように、巨岩や聖樹に囲まれた空間には、首里城内にある部屋名と同じ名前の拝所があり、当時の王府と斎場御嶽の関わりの深さをみることができます。

 やや広い内部を歩いて行き、右側に向かうと斎場御嶽で一番有名な三角岩の所に出ます。三角岩の案内板の説明は次のとおりです。

 自然岩や洞穴に囲まれたこの場所には、いくつもの拝所が集まっています。正面に見える三角形の空間の突き当たりが三庫理(さんぐーい)、右側がチョウノハナの拝所で、いずれも首里城内にある場所と同じ名前を持っています。また、左側からは太平洋と久高島(くだかじま)が遠望できます。
 さて、三角岩の右側には「貴婦人様御休み所」と二本の鍾乳石が見えます。滴り落ちる水はその下に置かれた壺に受けられ、それぞれが中城御殿(なかぐすくうどん)(国王の世子)と聞得大君(きこえおおきみ)御殿の吉兆を占うとともに、お正月の若水とりの儀式にも使われる霊水でした。

 久高島は、琉球開闢(かいびゃく)神話によれば、沖縄創世の神アマミキヨが最初に降臨し、国創りを始めた所だそうで、三角岩の奥の三庫理から久高島が観えるのは神秘的です。1枚目の写真は三角岩、2枚目の写真は二本の鍾乳石です。

  • 神話から 始まる国か 琉球