オルセー美術館展を観て

上野公園の大寒桜

 上野公園内にある東京都美術館で「オルセー美術館展:19世紀 芸術家たちの楽園」を観て参りました。昨年秋から3ヶ月間にわたって神戸で開催され、35万人を超える入場者数を記録した大型展だけあって、通勤ラッシュ時の東京の駅構内のように、非常に混んでいました。入場券は事前に購入していたものの、入場規制がかかっており、何と中に入るまでに40分以上も列を作って待つことになりました。待っている間に、総売上げの計算をしたりしました。東京でも3週間位前に入場者が10万人を超えたと報道されていたような気がします(後で調べたら、入場者数は、2月14日に10万人を超え、2月28日に20万人を超えたようです)。たとえ神戸並みの35万人の入場者で、平均入場料金は独断で1,000円と仮定すると、3億5,000万円です。神戸を超え50万人の入場者があったとすると、5億円です。140件もの作品をパリから日本へ運んで来ていることを考えると、何だか多いとも少ないとも言えそうです。
 場内では、いつものとおり音声ガイドプログラムを借用して、140件の作品の内、たった27件を足早に鑑賞いたしました。今回の音声ガイドは、 ICレコーダー風の装置に大きなヘッドホンが付いていました。前回は昔の大きな携帯電話風のものだったのですが…。私が特にいいなと思った絵は、クロード・モネの「ルーアン大聖堂」、ポール・セザンヌの「サント=ヴィクトワール山」、そして今回の展覧会のシンボルにもなっているエドゥアール・マネの「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」でした。また、面白かったのはバジールが画家のまとめ役になっていたらしく、長身の彼を取り囲んだ画家達の絵がバジール本人らによって描かれていることでした。
 パリにあるルーブル美術館オルセー美術館、及びポンピドゥー・センター国立近代美術館はそれぞれ役割が決まっているようで、「こだわり世代のためのエンターテイメント情報|日経WagaMama|楽」によれば次のとおりです。

 オルセーは同じパリ市内にあるルーヴル美術館、ポンピドゥー・センター国立近代美術館とともに、それぞれ異なる時代区切りに従って作品を収蔵・展示している。ルーヴルは古代から印象派の手前、オルセーは印象派を中心とする19世紀後半、ポンピドーはフォーヴィズム(野獣派)以降の20世紀美術を、それぞれ受け持っている。オルセーが「印象派の殿堂」と呼ばれるゆえんだ。もっと正確に言うと、オルセーの守備範囲は原則、1848年以降、第1次世界大戦が始まった1914年までとされている。

 実は、1991年頃パリのオルセー美術館に行ったことがあります。元々は鉄道の駅舎だったものを綺麗に改装して、元は駅ホームの屋根だった巨大なドームを持つ美術館として堂々たるものでした。ちょうどセーヌ川の河畔にあることもあって、まさに人気スポットになっていました。今度またゆっくりと時間をかけて、パリの美術館巡りをしたいなと、改めて思いました。

 上野広小路側の上野公園入口では、大寒桜が満開でした(写真)。沖縄の寒緋桜(沖縄では緋寒桜を通常こう呼んでいます)にも負けない見事なものでした。しかし、本数が少ないのはいたし方ありませんか。

  • 芸術の 都の薫り 彼方から