秋の鎌倉

鎌倉宝戒寺の萩の花

 先週末に鎌倉で秋の花を観賞する機会がありました。まず白萩を観るために宝戒寺(ほうかいじ)に参りました。数回は訪れているので、道順は確かです。まず、鎌倉駅を出ると、小町通り若宮大路の喧噪を避けるため、それらの道を横切って小町大路へ向かいました。大路とはいっても車がすれ違うのがやっとの道、気を付けながら北東方向に進みます。500mくらい歩くと右手に宝戒寺の入口が見えます。宝戒寺は鎌倉幕府の執権北条氏の屋敷址にあり、その由緒はお寺の解説板によれば次のとおりです。

 新田義貞の鎌倉攻めにより、この寺の南東にある「腹切りやぐら」で、最後の執権・北条高時をはじめ北条一族870余名が自害したと伝えられます。
 滅亡した北条氏の霊を弔うため、また修行道場として、後醍醐天皇足利尊氏に命じ、北条氏の屋敷があったとされるこの地に寺を建立させました。
 境内には四季を通じて花が咲き、9月には白いハギで埋めつくされる「萩の寺」として有名です。

 残念ながら10月になっていたので、白萩の花は終わっており、わずかに赤い萩の花が少し残っているだけでした(写真)。ここに白萩が多いのは、源氏の旗色にちなんだもののようです。ここでは本堂の畳の上に上がることができます。ご本尊などを拝んだ後、しばらくは本堂内で静かに座っているのも気持がいいものです。境内の奥には大きなスイフヨウ(酔芙蓉)がありました。一日花ですが、朝開いた時は白いのですが、だんだん時間が経つにつれてピンク色になり、最後は赤色になります。ちょうどお酒に酔った時のようなので、酔芙蓉と名付けられたそうです。
 扇ガ谷に向かう途中で、やはり鶴岡八幡宮に立ち寄り、参詣しました。ここはさすがに混んでいて少し歩きづらい感じでした。しばらく修理中だった、あの静御前が舞ったという舞殿(下拝殿)も綺麗になっておりました。扇ガ谷に入って薬王寺(やくのうじ)、浄光明寺(じょうこうみょうじ)、英勝寺(えいしょうじ)、そして海蔵寺(かいぞうじ)と巡りました。薬王寺亀ヶ谷坂切通しに向かう途中にあります。英勝寺は、鎌倉では現存する唯一の尼寺で、寺域は太田道灌公の旧跡だそうです。海蔵寺の山門のすぐ右側には鎌倉十井の一つの底脱(そこぬけ)の井があり、境内奥には十六井戸があります。
 沢山歩いた後の楽しみは食事です。小町通りの西側に面したビルの2階にある葉山牛ステーキ専門の店「マザーズ・オブ・鎌倉(MOTHER'S of KAMAKURA)」に入りました。幸いまだランチタイムでしたので、とても美味しい霜降りの葉山牛ステーキを、割と経済的に楽しむことができました。もちろんビールは地元の鎌倉ビールと葉山ビールを飲みました。

  • 願わくば 古都鎌倉の 秋の彩