日光の滝と紅葉#2(竜頭滝)

奥日光・竜頭滝

 次に、湯川が戦場ヶ原を流れ下り、菖蒲ヶ浜で中禅寺湖に注ぐのですが、その少し上流側に竜頭滝(写真)があります。男体山(なんたいさん)噴火により流出した溶岩の上を210mにわたって、階段状に流れ落ちています。滝壺近くで大きな岩によって二つの流れに分断されていますが、滝壺に流れ落ちる様子を正面から観ると竜の頭に似ていることから名付けられたといわれます。確かに写真をじっと眺めていると、中央部分が竜の頭と顔に見えて参りました。10月中旬であれば、竜頭滝の両側にモミジがあり、滝と紅葉の見事なコントラストが観られるはずでした。滝壺の横にあり、そこから竜頭滝を眺める龍頭之茶屋に、面白い「水五則」がありましたので、以下にご紹介します。

     水 五 則
一、自ら活動して他を動かしむるのは見ずなり
一、常に自己の進道を求めてやまざるは水なり
一、障碍に逢い激してその勢いを百倍し得るは水なり
一、自らを清うして他の汚れを洗うは水なり
一、洋々として大洋をみたし発しては蒸気となり雲となり
   雨となり雪と変じ霧と化し凝っては玲瓏たる鏡となりて
   しかもその本性を失わざるは水なり
          九十五叟 雲巌 憲道

  • 千変の 水に守られし 奥日光