秋の長瀞#2〜宝登山神社と宝登山

宝登山神社の紅葉

 昼食後、宝登山(ほどさん)神社に向かいました。宝登山神社は、秩父神社三峰神社とともに秩父三社の一つであり、その御由緒は案内板によると次のとおりです。

 第12代景行天皇の皇子日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国を平定し、御凱旋の途次、寶登山々頂で御三柱の神をお祀(まつ)り申し上げたのを以って、創始となす。登山に先立ち、尊が心身を清めた「玉の泉」は今なおご本社玉垣内に残る。登嶺の途中、山火事に遭われた時、神使の巨犬が火を消し止め、尊を頂上迄導いた。此の為古くは「火止山(ほどさん)」と称し、後に「寶登山」と改称す。此の巨犬は、大口真神(おおぐちまがみ)(御眷属(ごけんぞく))で、火防盗賊除・諸難除の霊験あらたかである。

 この御由緒によれば創立が西暦110年頃で、何と1900年も前のことなのだそうです。秩父地方には縄文時代の遺跡もあるので、太古の時代から人類が住んでいたようです。縄文時代には海面が現在より相当に高かったので、海が荒川に沿って内陸まで入り込んでいたらしいのです。長瀞も結構海岸に近く、住みやすかったのではないかと想像されます。本殿に昇る階段の前の鳥居の横に見事に紅葉したモミジがありました(写真)。宝登山神社本殿は、弘化4年(1847年)から明治7年(1874年)にかけて再建されたそうです。唐破風の下には見事な龍の透かし彫りがあり、また軒下の透かし彫りは見事に彩色されていました。
 宝登山神社奥宮に参詣するため、宝登山ロープウェイ山麓駅から山頂駅へ向かいました。宝の山に登るのに、2,200mの遊歩道を歩いて登ることもできますが、ロープウェイで昇ると約5分で山頂駅に着きます。宝登山頂は標高497.1m、山頂駅横からは長瀞の街並がよく望めます。宝登山頂付近の南斜面には、ロウバイ、ウメ(梅)、ツツジシャクナゲ等が植えてあり、この時季はフユザクラ(冬桜)がよく咲いておりました。
 再びロープウェイで下山した後、駐車場に戻る途中で旧新井家住宅と長瀞町郷土資料館に立ち寄りました。旧新井家住宅は、江戸時代に名主を務めた新井家の住宅を昭和50年(1975年)に長瀞町中心部から移築したもので、およそ260年前に建設されたものと考えられています。養蚕を主な生業とした、当時の生活様式がよくうかがえます。
 車での帰路は、往路と異なり、高速道路を使わずに一般道で行くことにしました。国道140号線秩父市に入り、途中で国道299号線へと左折し、正丸トンネルを経由して飯能市へ下りました。レクサスで快適な約3時間の山道ドライブでした。

  • 宝の山 登れば何と 花の山