川畠成道ファンクラブスペシャルコンサートを聴いて

銀座・王子ホール内部全景

 本日午後7時から銀座・王子ホール(写真はホール内部全景)にて開催された、川畠成道ファンクラブスペシャルコンサートを聴いて参りました。川畠さんは今年36歳の年男だそうで、ファンクラブ「川畠成道の会」も7年目に入り、その動員力は眼を見張らせるものがあります。今回のコンサートもファンクラブ会員限定なのですが、王子ホールの客席315席は満員のようでした。しかし、お客様の95%いや97、8%は女性です。川畠さんの風貌、話し方や雰囲気が母性本能をくすぐるのではないかと思います。私の席は、まだ残りのチケットがありますと知らされてから買ったため、たまたまキャンセルのあった前の方のいい席で、前から2番目の列の中央の最高の場所でした。
 ピアノ伴奏は、桐朋学園大学の同窓生である山口研生さんが共演しました。第2部が始まる前の川畠さんの挨拶の中にありましたが、2、3日前に山口さんがドイツから帰国しましたが、そのお土産としてドイツのお菓子を買ってきてくれたそうです。そのお菓子が、開演前と休憩中にロビーで無料でサービスされていました。チケットにあらかじめ飲み物券が付いていたのはなぜかと考えていましたが、お菓子と一緒に楽しむためのものだったようです。ファンクラブ会員への気配り、心使いはさすがだと感じました。
 プログラムは次のとおりです。

 第1部は約30分の演奏でした。いつものように、軽やかで、伸びやかで、心にしみる音です。繊細で、微妙で、正確なポジショニング、タッチ、見事なものでした。
 第2部は、何と全く初めての試みで、当日お客様からのリクエストによりプログラムを決めることになっておりました。リクエストのためのアンケート用紙には合計47曲ものリストがあり、ここから上記の6曲が選ばれた訳です。川畠さんが、出演者が曲目を決め演奏するという一方通行的なやり方を少しでも変えたいと考えられたようです。それにしても、20分もかかる長い曲も含め、常に50近い曲を暗譜し、完全に演奏できるように準備しているという事実に驚愕いたしました。
 第2部のパガニーニサラサーテの曲、そしてバッハのシャコンヌは難曲だと思いますが、川畠さんはいつも軽々と弾いているように観えるのには感心いたします。高い音が含まれるためポジショニングが難しいと思いますし、ビブラート、重音、フラジオレットハーモニクス)、ピチカート、コル・レーニョ等、ヴァイオリン演奏のありとあらゆる高等技術が含まれておりました。今回は特に近いところから観ていましたので、これらがよく分かりました。アンコールも含め、第2部は午後8時に開演しましたが、終演になったのは午後9時15分を回っておりました。

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