川畠成道デビュー10周年コンサートツアー埼玉公演(@川口リリア音楽ホール)を聴いて

川口リリア音楽ホール

 川口リリア音楽ホールにて開催された、川畠成道デビュー10周年コンサートツアー埼玉公演を聴いて参りました。この音楽ホールは、紀尾井ホールに似て、天井が高く、前後に細長い形をしており、響きのよさそうな感じがしました。600席のホールですが、ほぼ全面が木材でおおわれ、パイプオルガンも備えております。
 10周年コンサートツアーのプログラムは3種類あり、今回はヴァイオリンとギターとピアノによるプログラムAで、次のとおりでした。

ヴァイオリンソナタ 第4番 ト短調 「悪魔のトリル」 
 G.タルティーニ(1692-1770)

ヴァイオリンソナタ イ長調 
 C.フランク(1822-1890)

   ―― 休 憩 ――

歌の翼に 
 F.メンデルスゾーン(1809-1847)

ハンガリー舞曲 第5番 
 J.ブラームス(1833-1897)

カンタービレ 
 N.パガニーニ(1782-1840)

エスクアロ(鮫) 
オブリヴィオン(忘却) 
 A.ピアソラ(1921-1992)

チャルダッシュ 
 V.モンティ(1868-1922)

   ―― アンコール ――

ヴォカリーズ 
 S.ラフマニノフ(1873-1943)

ホタ 
スペイン舞曲 
 M.ファリャ(1826-1946)

オブリヴィオン(忘却) 
 A.ピアソラ(1921-1992)

 ピアノは寺嶋陸也さん、ギターは鈴木大介さんが共演者でした。ギター用の編曲はすべて寺嶋さんが担当したそうです。ギターの演奏はとても難しそうでしたが、鈴木さんは完璧に弾いているように聴こえました。ヴァイオリンとギターの合奏、それにピアノを加えた三重奏は、期待以上のとても素敵でした。ギターの音量が小さいのが難しいところでしょうか。川畠さんのヴァイオリンの音色はやはり一味違うらしく、鈴木さんも結構ヴァイオリニストとの共演があるそうですが、「だんだん近寄って行きたくなるような音は初めて」という感想を述べておられました。
 今回の公演が終了すると、ツアーも残すところ3月22日(日曜)に紀尾井ホールで行われる東京公演一つを残すだけになりました。成道さんも少し寂しそうでした。プログラムAでの公演は、大阪、鹿児島、名古屋そして埼玉の4ヶ所で行われました。ヴァイオリンとピアノにマリンバを加えたプログラムBの公演は、京都で一度行われ、ツアー最後として東京で講演されます。ヴァイオリンとピアノだけのオーソドックスな公演が、京都と富山で二度あったようです。昨年 11月16日(日曜)には、サントリーホールにて東京特別公演もありました。
 この埼玉公演では、一つ残念なことがありました。ホールの客席600席のうち、前方の約半分しか埋まっていなかったことでした。川口は首都圏の一部であり、中途半端に都心に近いため、地元のファンは東京公演に出掛けてしまうのではないでしょうか。そういえば、音楽ホールのロビー天井がなぜかやけに低かったのを記憶しています。ホールを出ると、やや閑散としたJR川口駅西口周辺はイルミネーションで装飾されておりました。

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