川畠成道デビュー10周年コンサートツアー東京公演(@紀尾井ホール)を聴いて(そして「新宿 大志満」での食事)
川畠成道デビュー10周年コンサートツアー東京公演を聴いて参りました。場所は、音の響きがいいので大好きな、クラシック専用の紀尾井ホールでした(写真は2階席後方から撮った開演前のステージ)。このホールは川畠さんにはお馴染みのところです。いつものように客席(800席)はほぼ満席でした。10周年コンサートツアーのプログラムは3種類あり、今回はヴァイオリンとピアノとマリンバによるプログラムBで、次のとおりでした。
ヴァイオリンソナタ 第1番 ト長調 作品78 「雨の歌」
J.ブラームス(1833-1897)―― 休 憩 ――
アヴェ・マリア
C.グノー(1818-1893)3つのオレンジへの恋より、マーチ
S.プロコフィエフ(1891-1953)ロンドンデリーの歌(アイルランド民謡)
エスクアロ(鮫)
オブリヴィオン(忘却)
A.ピアソラ(1921-1992)ひばり
G.ディニーク(1889-1949)―― アンコール ――
ヴォカリーズ
S.ラフマニノフ(1873-1943)ハンガリー舞曲 第5番
J.ブラームス(1833-1897)チャルダッシュ
V.モンティ(1868-1922)アヴェ・マリア
C.グノー(1818-1893)
ピアノはいつものように寺嶋陸也さん、マリンバは京都にお住まいの通崎睦美さんが協演者でした。川畠さんもマリンバとの協演は初めてということで、演奏はとても新鮮な感じがしました。弦楽アンサンブルで“四季”を弾いた昨年11月の東京特別公演は安心して聴いていられました。また、ピアノとギターと協演した今年1月の埼玉公演は欧州の旅情を感じさせるような雰囲気でした。しずれにしてもデビュー10周年コンサートツアーは本日で千秋楽ということで、川畠さんはホッとはしましたが少し残念という風情でした。
後半は川畠さんが時々MCをやって下さいました。曲目についても若干紹介して下さいました。まず、「ロンドンデリーの歌」は米国に渡って「ダニーボーイ」になりその方が有名になったそうです。エスクアロ(鮫)は、鮫を釣るのが好きだったピアソラが、その姿と動きを音楽で表現したものだそうです。そもそも鮫を釣ることができるのかともおっしゃていました。ところで、昨年(2008年)のニューイヤーコンサートのプログラムでは、エクアーロと読ませていましたが、スペイン語の読みが違ったのでしょうか。
そしてマリンバの通崎さんが紹介され、マリンバについて説明して下さいました。全長2m70cmの大きな楽器で、5オクターブ半の音を出すことができ、ちょうどチェロからヴァイオリンまでの音域をカヴァーしているそうです。マレットを2本持って演奏することもあることは川畠さんは知らなかったようです。ゴム製のマレットの先端に、演奏者が自分で毛糸を巻き付け音色を調整するのだそうです。毛糸の種類・太さや巻き付ける回数で音色が変るそうです。通崎さんが書いた本件コンサートのブログ記事がこちらにありました。
今回もマリンバのための編曲は寺嶋さんが行ったそうです。寺嶋さんは、2本のマレットの間隔や通崎さんの腕の長さなどを考慮しながら編曲作業を行ったとのことです。何回かの連絡で割りと容易に終了することができたそうです。ヴァイオリンとピアノとマリンバの協演はめったにないらしいです。そういう意味では貴重なコンサートを堪能させていただきました。
コンサート鑑賞後の食事は特に美味しいものです。先月の第7回文京福祉チャリティーコンサート(川畠成道特別演奏会)の時に続いて、新宿・小田急ハルク8階の「新宿 大志満」に参りました。前回頂戴したクーポン券があったこともありました。ここは「すし堪六」と一緒に入居しているため、鮨のメニューもあり「すし懐石」をオーダーしました。飲み物は能登の銘酒「竹葉(ちくは)」(重箱読みですが)です。食事と酒がよくマッチし、いいディナーでした。
- マリンバの 響きの中に 旋律が
満開を迎えた梅の名所「吉野梅郷」を訪れて
愛車レクサスIS250を駆って関東有数の梅の名所「吉野梅郷(よしのばいごう)」(東京都青梅市)を訪れました。2月14日(土曜)付日経新聞のPLUS1で、見事「おすすめの梅の名所ランキング」第1位を獲得したので気になっておりました。昨夜から雨模様でしたが、午後3時頃には晴れるという天気予報を信じて昼過ぎに出発しました。明日15日(日曜)は好天が予想され、ちょうど観梅市民まつりが開催予定なので大混雑すると思われました。青梅街道を約30km走って吉野梅郷に到着するころは、予報どおり雨もやみ北西方向には青空が観えました。青梅市梅の公園に近い、個人所有の観梅園に駐車しました(料金800円)。
梅の公園に向って梅の公園通りを歩いていると、右手に天沢院・梅林山(曹洞宗)がありました。境内にある「お願い地蔵尊」の赤い幟が入口にあり、その裏山が梅の公園を眺める絶好のポイントとの表示が目に付きました。そこで登ってみることにしましたが、雨でぬかるみ足場が悪く滑ってしまいました。
いよいよ青梅市梅の公園に入りました(入園料200円)。パンフレットによれば次のとおりです。
吉野梅郷とは、JR青梅線日向和田駅から二俣尾駅までの多摩川南側、東西4キロメートルに広がる地域で、約2万5千本の梅があります。
青梅市梅の公園は、この吉野梅郷の中にあり、120品種、1500本の梅がある山の斜面を利用した自然公園です。四が昭和47年に整備し、現在では吉野梅郷を訪れた人は必ず立ち寄る「吉野梅郷のシンボル」となっています。
入口すぐに山茱萸(さんしゅゆ)の黄色い花が目立っておりました。山茱萸とは別名秋珊瑚(あきさんご)あるいは春黄金花(はるこがねばな)とも呼ばれるそうで、解説板によれば次のとおりです。
梅(バラ科)ではなく、ミズキ科ミズキ属の落葉小高木で、朝鮮半島・中国原産。江戸中期に渡来。葉は楕円形。
春に黄色の小花を多数つける。秋には楕円形の実が赤く熟す。
実は漢方で滋養強壮薬とされ、山茱萸酒なども作られる。
滑る足元を気にしながら、山の北斜面を登り始めました。玄海躑躅(げんかいつつじ)の脇を、斜面の最上部にある「しだれ梅の滝」を目指して進みます。「しだれ梅の滝」の上部に到着し、しだれ梅の間から梅の公園全景を眺望することができました。そうこうするうちに、いよいよ晴れてきて、陽も射して参りました。山の中腹から梅の公園全景を撮影しました(写真)。ここは近景の梅花に、雲のような遠景の梅花が絡み合って、そのコントラストが本当に綺麗でした。すっかり青空になりました。
梅の公園を出て吉野川沿いに通りを下り、JAのグリーンセンター(農産物直売所)へ向かいました。梅製品と一緒に、青梅の銘酒・五段仕込「澤乃井」を購入しました。そして、早めの夕食と思い、梅料理の店「梅の里・九兵衛」に入りました。梅料理9品が付いた梅郷御膳に舌鼓を打ちました。
- 雨霽(は)れて 吉野梅郷 馨(かお)り立つ
第7回文京福祉チャリティーコンサート(川畠成道特別演奏会@文京シビック大ホール)を聴いて
学士会館で大学のクラブ(ESS)の同窓会に出席した後、文京シビック大ホールにて開催された第7回文京福祉チャリティーコンサート(川畠成道特別演奏会)を聴いて参りました。指揮は円光寺雅彦さんで、東京フィルハーモニー交響楽団が協演しました。プログラムは次のとおりです。最初の曲は楽団だけで演奏されましたが、残りのプログラムは川畠成道さんと楽団の協演でした。指揮の円光寺さんが、川畠さんをよく観ながら熱演されていたのが印象に残りました。
<第1部>
W.A.モーツァルト(1756-1791) 歌劇《フィガロの結婚》より序曲
P.I.チャイコフスキー(1840-1893) ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
≪休憩(20分)≫
<第2部>
E.ショーソン(1855-1899) 詩曲 作品25
J.E.F.マスネ(1842-1912) タイスの瞑想曲
F.ワックスマン(1906-1967) カルメン幻想曲
昨年行われた第6回文京福祉チャリティーコンサート(川畠成道特別演奏会)と同様に、今回も(財)富士福祉事業団が競輪補助事業として主催したチャリティーコンサートでした。したがって、ほぼ満員の客席には、実に行儀よくしくしている盲導犬を連れた方や白い杖の方が結構いらっしゃっておりました。
満場の拍手を浴びて演奏を終えられた後、4回のカーテンコールに応えましたが、今回は結局アンコールがないままでした。川畠さんのコンサートでアンコールがなかったのは初めてのことでした。夜の公演を控えているためだったのでしょうか。昨年は昼夜2公演でもアンコールを1曲弾いて下さいました。
美しい音楽を聴いた後は、お楽しみの美味しい食事です。文京シビックセンター25階の展望レストランまで昇りましたが、あいにく営業時間外でした(上の写真は25階展望ラウンジから東京ドームシティ方向を眺望したもの)。それで新宿の小田急ハルク8階にある「新宿 大志満」に向かうことにました。ここはお正月に泊まったホテルグランパシフィック LE DAIBAでお節料理を楽しんだ店の兄弟店です。軽食ということで加賀御膳と加賀の銘酒「萬歳楽 菊のしずく」を注文しました。
- 真心で 永久(とわ)の響きを 綴られて
- アーティスト: 川畠成道,プロコフィエフ,ラフマニノフ,リムスキー=コルサコフ,ピアソラ,ワックスマン,グノー,メンデルスゾーン,ブラームス,パガニーニ,チャドウィック(ロデリック)
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映画「我が至上の愛 アストレとセラドン」を観て
昨日映画「我が至上の愛 アストレとセラドン」を観て参りました。米寿を祝う歳になったヌーベルバーグの巨匠エリック・ロメール監督の最後の作品です。映画館は銀座テアトルシネマでした。これから数ヶ月間にわたり全国で公開されるようです。
新聞でお馴染みの映画評論家、中条省平氏が五つ星を付けて大絶賛していました。1月16日(金曜)付の日経新聞(夕刊)のコラム「シネマ万華鏡」の話です。中条さんの評論に誘われたのは、映画「英国王 給仕人に乾杯!」に次いで2回目のことでした。
言わずもがなフランスの古典を原作とした映画です。17世紀にオレノ・ディルフェが著したベストセラー「アンドレ」がそうです。舞台は5世紀のフランスで、当時ガリアと呼ばれていた時代です。ヌーベルバーグらしく、すべてロケで撮影し、音声も同時録音されたそうです。
フランスの田舎の映像はとても美しかったと思います。登場人物の純愛も瑞々しいものでした。ただ400年前の話のせいか、時間の流れがゆっくりしていたように思います。別れて何年かたっても忘れられない純愛とは何でしょうか。きっと現代では失われた、永遠の純愛を描いているのでしょうか。
- いつの日も 忘れられない 愛の歌
池上梅園と池上本門寺を訪れて
満開の梅が見頃という報道に接し、東京都大田区にある池上梅園に参りました。都営地下鉄浅草線の終点西馬込駅から南方向に歩くこと10分、梅園に到着しました。気温20度台前半という本日の陽気に誘われ沢山の人でごった返しておりました。写真は、下から丘陵斜面の梅を見上げたものです。
池上梅園の由来はパンフレットによれば次のとおりです。
池上梅園は池上本門寺の西に位置し、丘陵斜面等を利用した閑静な庭園です。戦前まで北半分は日本画家伊藤深水氏の自宅兼アトリエで「月白山荘」と呼ばれていましたが戦災で焼失。
戦後築地の料亭経営者小倉氏が南半分を拡張し、別邸として使用していました。小倉氏没後、ご遺族の意志により、庭園として残すことを条件に東京都に譲渡されました。その後昭和53年(1978年)に大田区に移管され、紅梅を中心に植林・拡張(現在9,880?)をすすめ、現在では大田区の区花である梅は 370本(白梅150本・紅梅220本)を数えるまでになりました。毎年1月上旬の蝋梅から3月中旬の八重揚羽まで2か月にわたり、30種あまりの梅を楽しむことができます。
池上梅園を鑑賞した後、東方向へ坂を上り、日蓮宗大本山の池上本門寺を参詣しました。池上本門寺は、日蓮聖人が今から約710数年前の弘安5年(1282年)10月13日辰の刻(午前8時頃)、61歳で入滅(臨終)された霊跡とのことです。仁王門(三門)から大堂(祖師堂)にお参りし、関東に4基現存する幕末以前の五重塔のうちで一番古いといわれる、ここの五重塔に向かいました。
五重塔の左横に力道山の墓への案内の矢印がありました。何となく矢印をしばらくたどって往くと、確かにありました。墓の左手前には「力道山之碑」が、右手前には「力道山之像」がありました。碑の揮毫は児玉誉士夫のものと記されてありました。また、像の台横に刻まれた建立者名簿には、三澤光春や小橋健太等のプロレスラーの名がありました。
国立新美術館で「加山又造展」を観て
東京・六本木にある国立新美術館で、「加山又造展」を観て参りました。会期(1月21日(水曜)〜3月2日(月曜))の中頃でもあり、またいつものように金曜日の夜(午後8時まで開館)に訪れましたので、ゆったりと鑑賞することができました。この美術館に往くのは2回目です。前回はすでに2年前、「大回顧展モネ」を開催している時で、直結している地下鉄千代田線の乃木坂駅から容易に入館できました。今回は都営地下鉄大江戸線の六本木駅から少し歩くことになりました。東京ミッドタウン前の出口から出て外苑東通りを横断すると、左手に××美術館通りという道があったのでそれを歩くことにしました。美術館の建物がすぐには観えないので若干不安になりますが、間もなく波打ったガラスのファサード(外観)が現れホットしました。
展示は美術館最大の空間である企画展示室1Eを使用しておりました。入場後はいつものように音声ガイドプログラムを借用しました。ハンドセット型の装置を使って、目と耳で沢山の本当に美しい美術品をゆっくり鑑賞することができました。100点を超える展示品は、次の6章に分類されておりました。それぞれの解説は加山又造展のホームページにあります。
第1章 動物たち、あるいは生きる悲しみ――様式化の試み
第2章 時間と空間を越えて――無限の宇宙を求めて
第3章 線描の裸婦たち――永遠のエロティシズム
第4章 花鳥画の世界――「いのち」のかたち
第5章 水墨画――色彩を超えた色
第6章 生活の中に生きる「美」
第4章の「花鳥画の世界」に分類されるのでしょうが、エントランスに展示してある実に巨大な「雪」「月」「花」の三部作にまず圧倒されてしまいました。この作品は、東京国立近代美術館に依頼され8年の歳月をかけて完成させたものだそうです。日本画を超えた絵画、そして水墨画にとどまらず、版画、陶器、アクセサリー、着物、羽子板、さらには祇園祭山鉾のデザインまでに加山の作品群は及んでおります。まさに美の巨人、縦横無尽の画家といえるのでしょう。
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